
誰かお願いつかまえて
第6章 ペットでもいいから
「―っ!
行ったけど出てもらえなかったんですよ!!
大体なんで会ってないこと知ってるんですか!?
っていうか
…なんで幸村が岡崎さんの車から降りてくるんですか?」
「……」
「…何もしない、って、言いましたよね?」
ようやく岡崎さんは口を開いた。
「…我慢できなかったんだ。幸村に拒否されたらやめられたが…
…なんて、言い訳でしかないな」
自嘲気味に笑ってから、表情が変わった。
それはとても真剣な顔で、目を離せないほどの迫力があった。
「俺は…」
嫌だ
その先は
聞きたくない――
