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誰かお願いつかまえて

第1章 私ってやつは



「母親っぽい世話好き加減に、母親っぽい言動。俺らは子供かっての」

『う……』

「璻の言う通りだな。ただの世話好きなら可愛げあるんだけど」

英雄はうんうんと頷いて言った。

「幸村は昔からそうだけど、隙がなさすぎなんだよ。男の手借りないだろ?基本的に」

『…だってできるのに頼んでどうするの?媚びてるみたいでやだ』

大地にも言われてしまうとさすがにつらいが、本当に自分がどうすればいいのか分からないのだ。

「うーん…がんばってる女の子は可愛いけどそういう子は人の世話焼けないし、人の世話焼ける子は自分のこととなると隙だらけだし…
幸村が超人てことか!」

『遼、全然解決してないんだけど』

「まぁ、もう少し肩の力抜いてみたら?自分しかいないわけじゃないんだし、さ」

『うん…』

(大地がそう言うなら……。やっぱり今のままはまずいよね。誰とも付き合ったことないわけだし)



「そういえばさ、幸村って前はどうしてたの?」


……おいおいまさか、英雄くんあなたは第2の地雷を踏む気なのか!?本気で笑えない話になるよ!?

ピロリン♪

「あ、幸村のじゃね?」

璻に指摘された通り、ナイスタイミングで私の携帯がメッセージを受信したらしい。

『あっ、うん!』

とにかくこの場から逃げる口実を考えながらメッセージを見ると未来からで。


ユッキー、そろそろ女子たちのご機嫌が制御不能になりそう…


(未来!!)

未来のいる方向を見ると困ったようにこちらを眺めている。たぶん、私が男子のところにいるのを不満に思う女子たちの機嫌をとってくれてたのだろう。


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