誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
――
『こんにちはー…』
片付けをしている中に顔をのぞかせると、岡崎さんを撮ってたカメラマンさんが近寄ってきた。
「お、イケメンおかえりー!なんてな?
おかげでいいのが撮れたよ」
「いえ、素人なのに良くしてもらって…ありがとうございました」
と、お礼合戦が始まりそうなところにユズが来た。
「ナミお疲れさま!写真、見ていくでしょ?」
『ユズもお疲れさま!…発行前に見ちゃっていいの?』
「まぁまぁ、確認だと思って!」
背中を押して、ユズはモニターの前につれてきた。
映し出されたのはいつになくかっこいい川端。
「どう?コンセプトは仕事帰りの待ち合わせ!」
こんな男が待ち合わせで立ってたら、彼女が現れる前に逆ナンされてしまいそう。
でも、その男は川端ってとこが可笑しくて。
クールで人気な川端は、実はキャンキャン吠える犬の方がしっくりくるし。
『ふふっ!』
「…なんだよ」
堪えきれなくて笑った私に川端は不満そう。
『だって…川端がしっかりした男風でかっこいいから…もう、可笑しくて……』
「ククッ!だってさ、川端」
「笑うとこじゃないだろ!」
笑いだした私とユズを軽く睨んでくる川端。
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