
誰かお願いつかまえて
第9章 女たちの戦い
『…そうなんだ…』
え、ほんとに納得するのか、そこ!
…ミラーから岡崎さんの鬼の形相が見えるのは俺だけだもんな…
『なんか…撮影終わってから機嫌悪そうだったから…
私、何かやらかした?』
(機嫌は、まぁ良くはなかった…し、お前がこっち見ないからだけどな)
「いや、別になんでもないから」
あまりこの体制でいると、更に我慢できなくなりそうだったから、幸村を離してやった。
『……でも、最近ミスばっかで迷惑かけてるし』
「それは―――」
「それは、幸村のせいじゃないだろ?」
(俺が言おうとしてんのわかってただろ、あんた!)
前を向いて運転をしながら、岡崎さんが口を開いた。
「俺がお前の書類確認したときは何のミスもなかったのに、最終的に提出すると後からミスが発覚する。
これは俺のミス、だろ?」
『っ!違います!岡崎さんのせいじゃ――』
「じゃ、俺たちに恨みを持つ誰かのせいだろ?」
「『!!』」
さすが、岡崎さんだ。
これで幸村から話が聞ければ対策できる!
