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先生…お願い。早く治して・・・

第17章 お願い側にいて



「お嬢様…。」

宮田はベットの上で泣きじゃくる綾の横に座ると、そっと綾の肩を抱き寄せた。


「 お嬢様…、先生の言うとおりですよ。逃げれば逃げるほど怖くなる。お嬢様はお一人で我慢し過ぎです。お側に付いていますから。だからもっともっと私に甘えていいんですよ。。私では頼りありませんか?」


綾は何度も大きく首を横に振った。


「私は、お嬢様に頼られる執事でありたい。そうでなければ私は…、お嬢様に必要のない存在です。」

宮田は少し哀しそうな目を向けた。


『そんなことないっ。これ以上一人ぼっちは嫌っ。宮田がいなかったら……私。宮田がいなきゃヤダ。お願いずっと……』

途中まで言いかけて、これ以上言えなかった。


宮田は優しく問いかける

「ずっと……、何です?」


『…………。』
綾は下を向いてしまった。


私なんかの為に宮田にずっと側にいて…なんて言えない。私一人の為にみんなが頑張ってくれる。みんなの人生を奪っているのではないか…いつもそう思っていた。これ以上みんなの負担にもなりたくない。そんなことを思ったら、言えなかった。



「いますよ。ずっと…。」




『……っえっ?!』



「どんなにわがままを言われようと、文句を言われようと…、私に反抗しようと、決して、私はあなたのことを嫌いになんてなりません。ずっと側にいますから。だから、もっと私を頼って下さい」

宮田は優しく微笑んだ。




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