先生…お願い。早く治して・・・
第19章 初めての治療(後編)
「 綾ちゃん、これで最後だ。最後頑張ろうな」
『 ヤダヤダヤダぁーーー。』
抵抗しようと思っても無理だった。
「宮田、脚上げて!!……宮田っ!!」
石川のその言葉に宮田は綾の膝の裏へ手を入れ大きく開かせ持ち上げた。
綾は宮田に膝を抱えられてしまい、宙に浮いた状態では脚に力も入らない。
『 ヤダぁー、宮田、離して〜、離してお願い〜』
涙を流して訴える綾に、執事としても医者としても心が痛んだが、ここまできたら、お嬢様に頑張ってもらうしかなかった。
“すみません。お嬢様。最後の辛抱です”