先生…お願い。早く治して・・・
第12章 異変
“ーーーー失礼します。先生の回診と包帯の交換に参りました”
そう言ってワゴンをひいた看護婦と先生が入ってきた。
看護婦はベットの周りを囲むカーテンを引き、
“ 診察させていただきますので、カーテン閉めますね。”とメイド達に話しかけた。
中では一人固まっている綾がいた。
「石川先生じゃなくて悪かったな。石川はあいにく緊急オペで今日は俺が代わりだ」
無表情で淡々と話すのは司馬先生だった。
綾は、咄嗟にすぐ脇に立つ宮田の上着の裾を"ギュッ"っと摘んだ。それは、 “お願い側にいて…”と、言っているようだった。
「司馬先生、側に付いていてもいいでしょうか…。」
司馬にも、綾が宮田の上着の裾を握っているのは見えていた。
「私は別に…構いませんよ…」と表情一つ変えることなく話す。
内心ほっとした宮田は、自分の上着を握る小さな綾の手を上から包み込むと、上着から手を外しギュッとその手を握り返した。
看護婦は包帯を外していく。
綾にはまだ傷口を見る勇気はなく、顔だけ宮田がいる方へ向けた。
司馬は傷口を覆うガーゼをピンセットで外し、
傷口を確認する。
「傷口はまあまあ、いいだろう。」小さくつぶやいた
「ただ少し………腫れてるかな………。」そう言って腕を軽く押す。
『…いたっ…。』
「痛いか?」
先生から顔を背けたまま、コクンと頷いた。
「んん〜、とりあえず炎症を抑える薬と痛み止めを出しておく、これで一旦様子を見よう。食後に飲みなさい。」
といいながら、手際よく傷口を消毒し、包帯を巻いてくれた。
内心終わった〜と思ったのは束の間…
そう言ってワゴンをひいた看護婦と先生が入ってきた。
看護婦はベットの周りを囲むカーテンを引き、
“ 診察させていただきますので、カーテン閉めますね。”とメイド達に話しかけた。
中では一人固まっている綾がいた。
「石川先生じゃなくて悪かったな。石川はあいにく緊急オペで今日は俺が代わりだ」
無表情で淡々と話すのは司馬先生だった。
綾は、咄嗟にすぐ脇に立つ宮田の上着の裾を"ギュッ"っと摘んだ。それは、 “お願い側にいて…”と、言っているようだった。
「司馬先生、側に付いていてもいいでしょうか…。」
司馬にも、綾が宮田の上着の裾を握っているのは見えていた。
「私は別に…構いませんよ…」と表情一つ変えることなく話す。
内心ほっとした宮田は、自分の上着を握る小さな綾の手を上から包み込むと、上着から手を外しギュッとその手を握り返した。
看護婦は包帯を外していく。
綾にはまだ傷口を見る勇気はなく、顔だけ宮田がいる方へ向けた。
司馬は傷口を覆うガーゼをピンセットで外し、
傷口を確認する。
「傷口はまあまあ、いいだろう。」小さくつぶやいた
「ただ少し………腫れてるかな………。」そう言って腕を軽く押す。
『…いたっ…。』
「痛いか?」
先生から顔を背けたまま、コクンと頷いた。
「んん〜、とりあえず炎症を抑える薬と痛み止めを出しておく、これで一旦様子を見よう。食後に飲みなさい。」
といいながら、手際よく傷口を消毒し、包帯を巻いてくれた。
内心終わった〜と思ったのは束の間…