テキストサイズ

先生…お願い。早く治して・・・

第2章 運命を変えた朝



『大丈夫。』


「本当に大丈夫ですか?」

心配気な表情でもう一度尋ねる



『…ん〜 …ちょっと喉 … 痛い…。』



ゲホッ、ゲホッ…


「お嬢様、ちょっと失礼します」

そう言うと、宮田は綾の喉に手を当てた。

『///…。』


宮田…近いよ…


「やはり、扁桃腺が少し腫れていますね。呼吸は?苦しくありませんか?」


『少しだけ…。』



そんな綾を、
いつもは見せない愛しそうな優しい目で

「では、今日は学校はお休みしましょう。
学校には私からご連絡しておきます。
朝食はどういたします?食欲はおありですか?」



『いらなーーーい』

綾は内心 "もうそんな目で見ないでよ〜"と思いつつ、赤くなった頬を隠すように布団を頭まで被った。



宮田はそんな綾の態度にちょっと安心したのか、

「ふぅ〜…」っと

小さなため息をひとつ吐き、

布団を被ったお嬢様に、
「分かりました。では念のため私は"天堂会病院の司馬先生"に連絡を取って参ります」


それを聞いた綾は
慌てて布団から顔を出し、

『いいよー、寝てれば治るからぁ〜宮田だって一応医者でしょ』


「じゃあ、私が診察いたしましょうか?」


『…///。。。それは…やっぱり嫌。』

いくら何時も一緒でも裸を見られるのは嫌だ。


「では司馬先生に診て頂きましょう。ここには薬もありませんし」


『ヤダ〜〜。。寝てれば治るもん』


「ダメです!!

熱もあるし、喉も、呼吸も…。

準備が出来たら、お迎えに来ます。

それまで大人しくしていて下さい」



「いいですね!!?」

『嫌っ』

「駄目です」


『病院、、嫌っ。。。!』


「駄目です。お返事は?」


『・・・・。。』



宮田はやれやれと、ちょっとふて腐れた綾に

「では後ほど。」

と言い残し
部屋を後にした。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ