先生…お願い。早く治して・・・
第12章 異変
その後…
あまり動いてないから…と嘘をつき
夕食は半分位しか食べれなかった。
夕食後、メイド達は屋敷へと帰り、病室には宮田と綾の二人になった。
綾はベットの上に座りテレビを見ていた。
「お嬢様?病院の決まりで、8時半までしか付き添いが出来ないのですが、お一人で大丈夫ですか?」
心配そうに尋ねる宮田に
『うん…。大丈夫だよ。もう診察もないし…、寝るだけだから…』と答えた。
やはり、さっきに診察以来、元気が無いように感じた宮田は
綾の目線に合わせると、とても優しい表情で
「お嬢様、、我慢しなくていいんですよ。甘えたっていいんですよ。」
宮田のその言葉になぜかボロボロと涙が溢れた…
『…うっ…うっ…』とむせび泣く綾。
宮田は綾の体を引き寄せ軽く抱きしめると
「大丈夫。大丈夫ですよ。側にいますから…』と泣きじゃくる綾の背中をさすった。
『私、わたしっ……っうっ……うっ…』
涙でうまく言葉が出ない…。
「ゆっくりでいいですよ。」宮田の目は凄く優しかった。
『わっ、わたしっ……さっき……、うっ、うっ…ウソついた…』
絞り出すように泣きながら話す綾に
「ウソ?ですか…?」と返した。
『うん…っ』と頷いた。
そして、
『……本当は…本当は…痛かったの……。うっ…うっ…
でも、
怖くて……
怖くて………、』
不安いっぱいのその顔で
泣きながら、絞り出すように話す綾に。
ニコっと微笑み、綾の頭に手を乗せると
「そうですか…、良く言えましたね。先生には私から言いましょう。」
そう言って、軽く頭をポンポンと叩いた。