無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

診察を終えた先生は
無表情のまま綾の顔を見下ろす…

でも先生の目はどこか優しく感じられた。

そして、綾の目を真っ直ぐに見つめ



「大丈夫か？本当に…」




でも先生のその一言は、
全てを見透かされているよで…

目を逸らしたら嘘がバレそうで…

不安で押し潰されそうだった…。


だから、

『うん。』と頷いた。



今声を出したら涙も一緒に出そうだった…

だから…声を出せなかった…

なるべく悟られないように…

必死に普通を装い…

なんでもない様な表情で…

先生の目をしっかりと見つめたまま…

コクンと頷いた…。




先生はその目を見つめたまま一言、

「そうか、ならいい……。」 と返した。



司馬は宮田に目を向けると、

「お大事に…。」

そう一言言い残し、病室を出た。






宮田は、先生とお嬢様のやり取りに少し不安を覚えた。

宮田の手を握る綾の手は、緊張の為か汗でびっしょりだった。


「お嬢様？！大丈夫ですか？」



『えっ？！大丈夫だよ…。』ついつい宮田にまで嘘を付いてしまった。