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先生…お願い。早く治して・・・

第14章 涙の告白

「君には知る権利がある。だからちゃんと話す。」


真剣な石川の眼差しに、嫌な予感がした。


やっぱり、悪い病気なの…?


心が、心臓がドキドキしていた。

石川は綾の隣に座ると、ゆっくりと話し始めた。



「ちゃんと診察してみないとなんとも言えないが、原因は昨日、腕に刺さった杭だ。あの杭には工事用の薬品が付着していて、それが君の腕から入って、胸や子宮のあたりで反応して悪さしている可能性がある。だから、まずは検査して調べる必要がある。」



綾自身、自分に何が起こっているのか、突然の事で困惑していた。

『検査…?……痛い?どんな事するの?』


病院嫌いの綾は不安に目が潤んでいた。



「大丈夫、心配ないよ。胸は触診とエコー検査をする。子宮も同様に、触診と子宮内でどの位反応してるのか薬品の濃度を測るけど、難しい検査じゃないから大丈夫だよ。」


『…………。』

不安で声が出なかった。



「一人で大丈夫?宮田君に側にいてもらうかい?んっ?」



『えっ?今から…検査…するの?』



突然過ぎて動揺が隠せない



「そうだよ。どうする?来てもらうかい?」



『………た……ない…。』

小さく呟いた。


「ん?」


『見られたくない。』

今度は石川の目を見て、はっきりと答えた。



「分かった…。でも心配してるだろうから、連絡だけは入れておくからね。」









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