テキストサイズ

超ROCK(笑)!!

第6章 フレット6 ネガティヴ進行形 聖蘭編はじまる

圧倒された。
セリフのはずなのに、まるで本当に鈴子ちゃんが主役になったような…言葉に責任感を感じる。
「彼女は小学校を卒業したらすぐに博多から女優になるために上京してきたんじゃ、しかも稽古場に泊まり込みでな。多少の訛りはすこし気になるがすごく成長したんじゃぞ。彼女はやる役によって何もかもが変わる。遠く故郷を離れて不安だろうに…でも自分の意思だそうじゃ。何個かオファーは来ていていろいろお勧めもしてるんじゃが、自分にはまだ成長が必要だといって聞かないんじゃ。」
監督が話す。通りで鈴子ちゃんはまっすぐだなぁと思った。
夜もだいぶ遅くなったので稽古場を後にして二人で帰ることにした。
「…」
「…」
お互い何を話せばいいのかわからなかった。
でも一番最初に言わなきゃいけないことがあるはずだ。
まだ決断しきってなくてなかなか言い出せない。
うちが悪いはずなのに、どんどん先延ばしにしてもうてる。
でも言わなきゃ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ