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Transcribe the Imagination

第11章 *Pandora's box

パンドラの箱って開けちゃいけないんだよね。
何の話だっけ、パンドラの箱って。

忘れちゃった。

誰にも開けちゃいけないパンドラの箱が、
心の奥底に眠ってると思うんだ。

「櫻井君、これよろしくね」
「はい!」

僕は上司で櫻井君は部下。
そう。それだけの関係。

それ以上でもそれ以下でもない。

「ねえねえ、櫻井君」
「はい、何でしょうか?」

名前を呼ぶと直ぐに駆けつけてきてくれる。
ニュースアナウンサーみたいに姿勢よく。

「今日、飲みに行こ」
「あ…今日は……すいません」

申し訳なさそうに頭を下げた。

「そっか」
「本当にすいません、また是非誘って下さい」
「じゃ、明日にでも誘っちゃおうかな」

資料を纏めてファイルに挟む。

「あ、是非!」
「あの企画、通るかも」
「本当ですか!?ありがとうございます!」

嬉しそうに頭を下げた櫻井君。

「櫻井君の実力なんだから」

微笑みかけると、
櫻井君は朗らかにただ嬉しそうに笑ってた。

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