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Transcribe the Imagination

第11章 *Pandora's box

「“良い物”が見れて楽しかったです」
「え?物?」

二宮が何を言っているのかわからない。

「じゃ、失礼します」

顔を上げた二宮の目尻が光っていたことは、
見てみぬ振りをしたんだ。

この日が二宮と最後の別れだった。

―――――

「これは……」
「櫻井さんの教え方分かり易いです!」
「本当?ありがと」

色々とモヤモヤする。

二宮が言ってた意味もわからないし、
何より櫻井君と相葉君を見てると落ち着かない。

自分から引き離したのに…。

「櫻井君」
「あ、はい、ちょっと待ってて」
「はい」

相葉君は部下なんだから、
わざわざそんなこと言わなくてもいいのに。

「今日、空いてるかな」
「はい!」
「終わったら、目黒の」
「酒場平野ですね?」
「あ、うん」
「では!」

酒場平野、
ここは二宮と他の同僚とよく行っていた居酒屋。

櫻井君が知ってるなんて意外。

にしても……
あの二人を見てるとやっぱモヤモヤする…。

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