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Transcribe the Imagination

第11章 *Pandora's box

「智さん、これ」
「ああ、どうも」

二宮と交際してる。
僕のパンドラの箱の中身は二宮だったのかも。

「あの…今日ってお時間」
「ごめんね、無いや」
「あ…わかりました」

あの日から、櫻井君は何度も僕を誘う。
それを、僕は断り続けている。

予定なんて入ってないけど、
櫻井君と二人きりになりたくない。

「相葉くーん」
「はい!」

櫻井君がまだ横に立ってたから、
新人の相葉君を、呼んだ。

「櫻井君」
「あ…はい」
「相葉君の教育係、頼んでもいい?」

久々に櫻井君に頼み事をした。

「はい!わかりました!」
「櫻井さん、よろしくお願いします」
「よろしくね、相葉君」

二人が仲良くなれば、
僕を誘う暇なんてないだろう。

そう考えて頼んだ。

―――――

「大野さん」
「んー?」

残業をする僕の後ろから抱き着く二宮。

「パンドラの箱って知ってます?」
「え?…あ、うん」
「実は、俺、来週から転勤なんです」
「え?転勤?」

「俺のパンドラの箱の中身は
大野さんと櫻井でした」

妙に敬語を使うから違和感があった。

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