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Transcribe the Imagination

第13章 *Sleet ball

「しょー」
「…なんだ」
「苦しいよ…」
「そりゃ悪かったな」

俺はお前を離す気はないぞ。

「しょーはホモなの?」
「違うに決まってんだろ」
「僕はホモなんだよ」
「そうか」

そんなこと、言っても離さねえぞ。

「しょーのこと好きなんだよ?」
「は?」

パッと体を離してしまう。
バチッと目が合うと大野が微笑った。

「それでも必要としてくれる?」

俺はとんでもないヤツに引っ掛かったのかも。
目を全く逸らせない。

大野に溺れていく。

「ああ、もちろんだ」

それでも俺は大野を必要とする。
もう、堕ちているから。

「しょー、必要として」

目を瞑ってきたから、
頬に優しく触れて唇を重ねた。

チュッと音が空に響いた気がした。 

「もっと」

もう一度唇を重ねる。

「もっともっと」

キスをする度に、
大野が「もっと」とせがむから面倒になって舌を口内へと滑らせた。

「んっ…」

それを直ぐに受け止めるから、
なんかちょっと慣れてて嫌だった。

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