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Transcribe the Imagination

第13章 *Sleet ball

「しょ、動いてっ」
「う、うん」

ズルズルとゆっくり抜いていく。

「あっ、んん、ひゃ」
「はあっ、大野、挿れ――」

ガチャ。
屋上の扉が開いた音。

「櫻井ー、大野ー」

担任の声だった。
俺と大野を探しに来たんだ。

しっかり影に隠れてヤッてるから、
見つからないけど……。

もし、こっちに周られたら見つかる!

そんな緊張感が俺を煽った。

「大野、我慢してな」

耳元で囁くと、
大野がまた驚いた顔をした。

その顔を見つつ、腰を再び沈めた。

「っ!?」
「んあー、いねえのかよ」

カチャ。
担任が扉のドアノブに触れた。

「んあっ、っ!」

大野が大きな声を出してしまって、
ハッと口を手で塞いだ。

「ん?誰かいるのか?」

足音が近付いてくる。
その足音をかき消すように扉の音が響いた。

「先生、会議始まりすよ」
「やっべ、遅刻する」

バタン!

「ふぅ……セーフ」
「じゃ、ないよ!バカぁっ、あっ」

何も言わせず腰を打ち付けた。

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