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Transcribe the Imagination

第14章 **Childhood friend and rain

「おい」

今日もあの日と同じ様な雨が降っていた。

「あっ、おっかえりーー♡」
「やめろ。抱き着くな。拭け。」

洗面所から顔を出した雅紀。
いつの間にか俺の家に住んでやがった。

「俺、風邪引いちゃうからお風呂先ー」
「はあ?床は傷んだら終わりなんだよ」
「俺も風邪引いたら、終わりなの!」

全く理屈が通ってない。
人間は自己治癒能力ってもんがあるだろ。

「おい、雅紀」
「きゃーー!アワアワーー!!」

風呂場からはしゃいだ声。
俺はいつまで一緒にいればいいんだ。

しかもつい最近、
雅紀の彼氏とか言う奴から接触があった。

『俺のまーくん、返してください』
『貰った覚えはない』
『尚更、返してください』
『殴ることでしか愛を確かめられない奴に言われる筋合いはない』

それから俺には接触はない。
けど、もしかしたら雅紀にはあるかもしれない。

あれだけ、俺と風呂に入りたがっていたのに最近は滅多に言わなくなった。

殴られた痕があるのかもしれない。

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