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Transcribe the Imagination

第15章 *Kiss here and there

今日は学校一イケメンの相葉先輩と、
デート(遊び)の約束を取り付けた。

一ヶ月前に予約しといてよかった…。
一ヶ月前までは、少し肌寒いくらいだったのに今では雪が降りそうなくらい寒い。

相葉先輩は毎日誰かとデート(遊び)をしてる。

誘うのはいつも女子で、相葉先輩の友達は約束なしでもいいんだけど俺は後輩だし……。

接点なんて皆無。
そんなヤツが相葉先輩とお近づきになるにはこのデート(遊び)の約束を取り付けるしかない!!

「あ、ごめんね。待たせちゃって」
「いえ!全く待ってません!」

楽しみ過ぎて、
一時間前に待ってたなんて絶対に言えない。

「あ…ごめんね。待たせちゃって」
「へ?待ってないですっ!」
「一時間も待ってくれたんでしょ?ありがと」

な、何で!?
俺、何も喋ってないのに……。

「全部言ってるよ」
「へ!?」
「ははっ、二宮くん面白いねー」

あ、相葉先輩が俺の名前を……。

「え、あ、大丈夫?」
「ふぇ?」
「泣いてるよ?」

相葉先輩に顔を覗かれる。

「ああ、本当、泣き虫さんだなぁ」

戸惑いながら微笑って、
ポケットから出したハンカチを俺に渡した。

「へ?これ…」
「袖が濡れちゃうからこれで拭きな?」

冷たい風が、
相葉先輩のお陰でとても温かく感じた。

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