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Transcribe the Imagination

第17章 *Soap bubble

「え」

自室に戻ると憧れの松本先輩が、
相部屋の大ちゃんと喋ってました。

「あ、にのにゃん、おかえり」
「た、ただいま」

大ちゃんは一つ上の先輩で
松本先輩も大ちゃんの同級生。

「にのにゃん?」

松本先輩が俺の名前を呼んだから、ビクッとしてしまって資料を落としてしまった。

「あわわわぁ」

あわあわしながら、
資料を集めて机の上に戻す。

「そう、可愛いでしょ?」
「か、可愛いとか言わないでっ!」

バッと振り返って大ちゃんに抗議する。
でも少し視線を逸らすと松本先輩と目が合ってしまってドキドキする。

「お、大ちゃん」
「ん?」
「ど、して…松本先輩が?」

資料を握りながら、問い掛けた。

「あぁ、ちょっとお話♡」
「そ、そ、そうですかっ」

大ちゃんがとても可愛く笑ったから、
松本先輩とデキてるのかと思った。

仕方ないよね。
大ちゃんは松本先輩と同級生だし。

何より、俺が松本先輩に憧れてることすら
大ちゃんは知らないんだから。

ギューと紙を握る。
ん?紙?

「あっ、し、資料っ」

資料を握りしめていて、
慌てて机の上でシワを伸ばした。

背後から、
二人のクスクスした声が聞こえた。

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