テキストサイズ

Transcribe the Imagination

第3章 *Cream puff

好きなことは、時間の有効活用。
好きなものは、新聞と珈琲。

眼鏡をかけて、生徒会長務めて、
サッカー部のエースになって。

学園生活は、順風満帆。
そこそこモテて、憧れて。

三年間、やり抜けるはずだった。
なのに……。

『お前、不良になりてえんだろ』

その言葉一つで生活が変わった。

『俺が教えてやんよ』

正直、“優等生”のレッテルは重荷だった。
だから、その言葉に吸い込まれた。

深みに嵌まった。

『え?煙草?ないない!誰が吸うかあんなもん』
『酒?飲まねえよ!』

意外と常識的で驚いた。

『ただ素行不良するだけだって!』

……常識的じゃないじゃん。

俺が出会った不良は、松本潤。

「おーい、会長ー」
「あ、潤。遅かったな」

今日は日曜日。
毎週日曜日は課外学習。

「ごめん、ちょっと色々ね」
「……ふぅん」

潤とつるみ始めてから、一ヶ月。
俺には気付いたことがある。

約束に遅れてくると不安になる。
他の男と歩いてるとモヤモヤする。
もちろん、女も。

これって、
世にいう“恋”ってヤツだろ?

て、ことは……
俺は潤が好きってことなんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ