Transcribe the Imagination
第1章 *Faint love
「なあ潤」
「ん?」
歯ブラシを銜えたまま返事をした。
「こっちとこっち、どっちがいいかな?」
持ってきたのは同じようなパーカー。
「んふ(右)」
「こっち?そーだね、こっちにしよー」
右側のパーカーを羽織りながら、
リビングに戻っていった。
アイツ、今ので分かったのかよ。
「なあなあ潤ー」
トタトタと足音立てて、
また洗面所の俺に声を掛けてきた。
「ズボン、どっちがいいかな?」
「んふふ(左)」
「こっち?そーだね」
左側のズボンをその場で穿き始めた。
そんな智さんの姿を見ながら、
口の中を濯いだ。
「智さん」
歯ブラシがカランと音を立てて、
元の場所に戻った。
「ん?」
「服、脱ぎっぱ」
いつも俺が選ばなかった服を放り投げる。
「あ、ごめん」
ニコッと笑うんだ。
その笑顔に俺は弱くて…。
「しょうがないな…」
「えへへ、ありがと」
智さんは俺より七つ年上。
「智さん、ご飯食べよ」
「あ、パン焼いてんの忘れてた」
「え!?」
ドタバタとリビングに戻ると、
トースターの中にパンはなかった。
皿の上にしっかりいい焦げ目のパン。
「ごめんね、嘘♡」
「はあ…智さんの阿呆」
「ふふ、頂きまーす」
「頂きます」
智さん自家製の苺ジャム。
「安定の美味しさ」
「ふふ、ありがと」
緩い智さんの生活テンポに慣れてきて、
俺の生活テンポも緩くなった。
「ん?」
歯ブラシを銜えたまま返事をした。
「こっちとこっち、どっちがいいかな?」
持ってきたのは同じようなパーカー。
「んふ(右)」
「こっち?そーだね、こっちにしよー」
右側のパーカーを羽織りながら、
リビングに戻っていった。
アイツ、今ので分かったのかよ。
「なあなあ潤ー」
トタトタと足音立てて、
また洗面所の俺に声を掛けてきた。
「ズボン、どっちがいいかな?」
「んふふ(左)」
「こっち?そーだね」
左側のズボンをその場で穿き始めた。
そんな智さんの姿を見ながら、
口の中を濯いだ。
「智さん」
歯ブラシがカランと音を立てて、
元の場所に戻った。
「ん?」
「服、脱ぎっぱ」
いつも俺が選ばなかった服を放り投げる。
「あ、ごめん」
ニコッと笑うんだ。
その笑顔に俺は弱くて…。
「しょうがないな…」
「えへへ、ありがと」
智さんは俺より七つ年上。
「智さん、ご飯食べよ」
「あ、パン焼いてんの忘れてた」
「え!?」
ドタバタとリビングに戻ると、
トースターの中にパンはなかった。
皿の上にしっかりいい焦げ目のパン。
「ごめんね、嘘♡」
「はあ…智さんの阿呆」
「ふふ、頂きまーす」
「頂きます」
智さん自家製の苺ジャム。
「安定の美味しさ」
「ふふ、ありがと」
緩い智さんの生活テンポに慣れてきて、
俺の生活テンポも緩くなった。