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Transcribe the Imagination

第28章 Transcribe the Imagination

「なんで逃げんだよ!」

そう怒鳴るとまたピクッと動く。

「和也、待てって!!」
「い、嫌だ!来ないで!!」

ビクビクした目と目が合った。
そのせいで足が止まった。

「和也は俺が怖いか?」
「……へ?」

俺の突然の問に足が止まった。

「友達、八年やってて、怖かった?俺と仲良くしてたのは怖かったから?」

俺はイジメる側の人間だ。
和也はイジメられる側。

「そ、そんなこと!」
「じゃ、なんで逃げるの?」

ゆっくりと距離を詰める。

「そ、れは……」
「和也は俺が好きだよね?」
「へ?へ!?」

顔が真っ赤に染まった。

「俺は和也が好きだ」
「え、で、え?翔ちゃん、ノンケでしょ?」
「だったのに、お前に惚れてた。お前だから惚れた。」

男が好きなんじゃない。
和也が好きなんだ。

「だから…」

オドオドしてる和也を抱き締める。

「俺のもんになれ」

泣き声に紛れて「うん」と聞こえた。

━END━

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