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Transcribe the Imagination

第4章 *White teddy bear

―一週間後―

「翔やん翔やん」
「ん?」

今日は大野が風邪で休んだ。
担任が言うには夏風邪らしい。

「クマ、無くしちゃった」
「はあ!?」
「怒んないでよ。」

二宮が深刻そうな顔をして俯いた。

「俺だって、訳わかんないんだから」
「どういうこと?」
「俺、ベッドにクマ入れてたの」
「子供かよ」
「ほっといて!」

赤面した二宮に櫻井は謝って落ち着かせた。

「俺、昨日の朝もベッドにクマ入れて出たの」
「それで無くしたと」
「うん」
「親とかじゃねえの?」
「有り得ないよ。鍵掛けてるから」

二宮の部屋は厳重に設備されてる。

ゲーム最中に邪魔をされたくないらしく、
二年半のバイト代と小遣いを使って工事を依頼したらしい。

「スペアキーとかは?」
「作ってない」
「んー……」
「おかしいんだって、無くなるはずがないのに」
「別に気にしなくていいんじゃないか?」
「で、でも怖いっ」
「幽霊なんていねえんだから、安心しろ」

恐怖の色を顔に浮かべる二宮。

足音はすぐそばに。

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