Transcribe the Imagination
第4章 *White teddy bear
二人はその襖に釘付けになった。
「智…開けるか?」
「い、嫌だよ…怖い……」
「でも、もしかしたら…」
櫻井の足は襖へと進んだ。
「や、やめなよ……」
止める大野も襖へと近付く。
「ごめん、開ける」
櫻井が襖に手を掛けた。
その瞬間、大野が二宮の部屋から出ていった。
櫻井は不思議に思いながらも、
襖を少しずつ開いていった。
「え……ニ、ノ?」
襖の中には、
横たわったニノとさっきのクマがいた。
全てが黒かった。
だけど……血の臭いが充満していた。
「う……うわぁああ!!」
櫻井は仰け反りながら叫んだ。
大野もいない。
血にまみれた二宮と二人きり。
恐怖の底へと落とされた。
「さ、智……」
呼んでいた。
無意識に智を呼んでいた。
後退る俺の手に何かが触れた。
柔らかい感触だった。
そっと振り返ると、クマがいた。
真っ白なクマが。
「智…開けるか?」
「い、嫌だよ…怖い……」
「でも、もしかしたら…」
櫻井の足は襖へと進んだ。
「や、やめなよ……」
止める大野も襖へと近付く。
「ごめん、開ける」
櫻井が襖に手を掛けた。
その瞬間、大野が二宮の部屋から出ていった。
櫻井は不思議に思いながらも、
襖を少しずつ開いていった。
「え……ニ、ノ?」
襖の中には、
横たわったニノとさっきのクマがいた。
全てが黒かった。
だけど……血の臭いが充満していた。
「う……うわぁああ!!」
櫻井は仰け反りながら叫んだ。
大野もいない。
血にまみれた二宮と二人きり。
恐怖の底へと落とされた。
「さ、智……」
呼んでいた。
無意識に智を呼んでいた。
後退る俺の手に何かが触れた。
柔らかい感触だった。
そっと振り返ると、クマがいた。
真っ白なクマが。