Transcribe the Imagination
第4章 *White teddy bear
櫻井と大野は二宮家を訪ねた。
「これ…あなた達に」
二宮の母親が二人に差し出したのは鍵。
「二人に渡すように言われてたから」
「入ってないんですか?」
「ええ」
二宮の部屋には誰も入っていなかった。
行方不明になってから初めての来人らしい。
二宮の母親に急かされて、
二人は二宮の部屋を開けた。
「じゃあ」
二宮の母親は階段を降り、
おそらくリビングに戻った。
「ねえ、翔君」
「ん?」
櫻井は二宮の母親を見ていたが、
大野は部屋をじっと見て立ち尽くしていた。
「あれ…クマ……」
机の上に置かれているクマ。
「俺達のかな…」
三人でお揃いで買ったのは白いクマ。
あんな黒くなかった。
「違う、俺達のじゃない」
「だ、だよね…」
二人は多少の恐怖を感じながらも、
部屋を見渡した。
「ニノ…どこ行ったのかな……」
「クマを見つければ戻ってくるか――」
櫻井が振り返ると、
机の上に置かれていたはずのクマが足元に。
「智…動かした?」
「え?何を………」
スッとひとりでに襖が開いた。
「これ…あなた達に」
二宮の母親が二人に差し出したのは鍵。
「二人に渡すように言われてたから」
「入ってないんですか?」
「ええ」
二宮の部屋には誰も入っていなかった。
行方不明になってから初めての来人らしい。
二宮の母親に急かされて、
二人は二宮の部屋を開けた。
「じゃあ」
二宮の母親は階段を降り、
おそらくリビングに戻った。
「ねえ、翔君」
「ん?」
櫻井は二宮の母親を見ていたが、
大野は部屋をじっと見て立ち尽くしていた。
「あれ…クマ……」
机の上に置かれているクマ。
「俺達のかな…」
三人でお揃いで買ったのは白いクマ。
あんな黒くなかった。
「違う、俺達のじゃない」
「だ、だよね…」
二人は多少の恐怖を感じながらも、
部屋を見渡した。
「ニノ…どこ行ったのかな……」
「クマを見つければ戻ってくるか――」
櫻井が振り返ると、
机の上に置かれていたはずのクマが足元に。
「智…動かした?」
「え?何を………」
スッとひとりでに襖が開いた。