テキストサイズ

Transcribe the Imagination

第7章 *Childhood friend and rain

唇が離れると雅紀の顔は真っ赤だった。

「何、赤くしてんだよ」
「だって、翔ちゃんが格好いいんだもん……」
「当たり前だろ、何食う?」

「翔ちゃん」

……?

「俺、翔ちゃん食べたい」
「俺は食えません」

マジで俺のこと好きなわけ?

「食べさして」
「俺はそんなに安くないです」

くっつく雅紀を離す。

「うどん食うか?」
「え!うどん!?大好き!」

さっきよりもグッとテンションが上がる。

「翔ちゃんの方が好きだけど!」
「今更のフォロー遅えぞ」
「うええー、ごめんなさぁい」

キッチンに立つ俺の後ろから抱きついてきた。

「雅紀も作るか?」
「作る!」

雅紀にネギと包丁とまな板を渡す。

「はい、切って」
「え?俺、うどん打ちたい」
「お前アホか」
「アホじゃないもん!」

ザクッと音がする。
あれ?ネギってそんな音するっけ?

「あれ?なぜかキャベツを切ってる……」
「どこから出してきたんだよ」
「さあ?」

本当、世話焼けるやつだな。

━END━

ストーリーメニュー

TOPTOPへ