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Transcribe the Imagination

第7章 *Childhood friend and rain

「うぇぇ……」

デカい図体で泣きやがって。
昔から調子が狂うんだよ。

「雅紀、取りあえず服着ろ」
「翔ちゃんが優しくしてくれないぃ」

そんなこと言いながら服を着始める。
何だかんだ着やがって。おもろ。

「んーー、まあ…今日は泊めてやるから」
「本当?翔ちゃん、大好き!」

雅紀に抱き潰される。

「分かったから離せ」
「いやっ!離さない!」

本当、好きだよな。俺のこと。

「しょうがねえな」
「翔ちゃん大好き」
「分かったって」
「本当に大好き」
「おいおい。んなこと言っても……」

体が離れると雅紀の泣き顔がよく見える。

「はあ……泣くな。クソ雅紀」
「笑わないでよ……」
「キスしてやろうか?」
「へ?」

昔もそうだった。
雅紀が泣く度、キスで慰めた。

「いいの?」
「今更、何言ってんだよ」

雅紀の頬を包んで、顔を近付ける。
目を瞑ったのを確認すると俺も瞑って唇を重ねる。

今考えると、好きだったんだ。
素直で、天然で、泣き虫のクソ雅紀を。

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