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Transcribe the Imagination

第9章 *Plus natural

「え、ちょ、それ俺の」
「違うよ、僕の♡」
「大野くん!俺、先輩だよ!?」
「だから何なんですか」

新入部員の大野智くん。
ちょっと性格に難ありの子で初の部長の仕事だと押し付けられた。

めでたく世話係となった俺に大野くんは、
毎日付き纏ってきた。

「はあ…」
「溜め息ついてないで食べましょ?」
「だから、それは俺の!てか食べ物じゃないでしょうが!」
「違います食べ物ですし、僕があげるって言ってんです」

大野くんは俺様系でモテるらしく、
同学年の娘によく呼び出されてる。

いつも俺が一緒にいるから知ってる。
告白されてるんでしょ?

「僕、先輩がいればいいや」
「はい?何言ってんの。早く教室戻りなよ」

大野くんが自分の物と言い張るシャーペンを
取り上げて教室から追い出す。

「またねえ、先輩♡」

ニヤッと笑ってそのまま教室を出てった。

「…はあ」
「マサキ先輩、大変だねー」

さっきまで大野くんが座っていた椅子に、
和也が腰をかけた。

「ホンット他人事なんだから……」
「え、他人事だもん」

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