サクラチル
第2章 2つ、甘くないアマイ時間
ちょっ、待て待て待て、コイツ女の子の体に覆いかぶさってくるとかありえない……!
キッと睨んでやる……と。あまりに美しい上半身が私の瞳に映る。そして。その綺麗な肌に不似合いな鎖骨に咲く紅い花。
「そんな欲しそうな顔しちゃって。大丈夫、すぐ昨日みたいに気持ちよくしてやるから」
フッと目尻を細め笑うと
チュッ チュッ
唇を唇でなぞられ、首、鎖骨、とキスをおとしてゆく。
「んっ… ぁっ」
口の端から切ない声が勝手に漏れる。私も裸だったなんて…っ。
抵抗しようにも、男の人にのしかかられていては抵抗できない。なら無理にでも、と足を蹴りあげた……のが、間違いだった。
「っ!?」
あろうことか男の人のソレを蹴りあげてしまったらしい。驚いたように見開かれた目が、徐々に細められてゆく。
やばい、マジで怒らせた。