愛してるって伝えたい
第4章 過ち
量くんの行きつけの、小洒落たフレンチのお店にやってきた。
照明は暗くて、落ち着く音楽が流れている。
「食事なしで、ワインだけ」
量くんは慣れた口調で店員さんにワインリストを貰う。
「梨花は、甘めが好きだからこれかなー」
私が無言で下を向いている間に、ワインと軽いつまみを頼んでくれた。
「で。梨花どうした?いつも元気なのに、何があった?」
私は息を大きく吸って、ぽつりぽつりと、この二日間のことを話した。
量くんは私の目をまっすぐ見て、ときおり頷くだけで、とくに何も言葉を挟まない。