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Welcome to our party

第26章 カレは男の娘 by アロエリーナ

専門学校で仲良くなったクラスメイトが
初恋の人の妹だと知って。


頼んで、何とかデートにこぎつけた。


会いたかった。探してたの。


この学校を選んだのも、彼がいる土地だって
知ったから。


街のどこかで、会える奇跡を願ったの。


神様、奇跡をありがとう‥


私「女の子」になって、よかった。



――私の初恋は、10年前の9歳のとき。


近所の公園で遊んでくれた
2歳上のお兄さん。


カッコイイ顔に似合う、カッコイイ名前だったから、ちゃんと覚えてる。



『ニノ、サッカーやろうぜ!』


『しょう‥ぼく、砂のお城作りたい‥』


『女のコみたい‥もっと男らしくしろよ』


この頃、私はまだ「男の子」だった。


翔は私をアダ名で呼んでたから
私の名前を知らない。


翔の事が好きって気づいても、
言えなかった。


だって男が男を好きになるなんて
気持ち悪いでしょ?


このまま仲良く、友達でいよう‥


でも、別れは突然やってきた。



『ごめんニノ‥また引っ越すことになった。

会えるのは今日が最後だな』


小雨の降る、夕暮れ時。

翔は傘を持ってなかった。

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