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第26章 カレは男の娘 by アロエリーナ

気づいたら、カフェを飛び出して
外を走ってた。


ひどい‥他の子にも可愛いなんて。

私のこと何とも思ってないんだ。

本物の女の子には敵わないもん。


どうせ私は、女装した只の男‥「男の娘」

浮かれてバカみたい。

苦しくて、胸が張り裂けそう‥



「‥待って、ニノ!」


泣きながらよろめくと、いきなり腕を掴まれた。


「しょ‥う‥?」



「ニノだろ、やっと思い出したよ。昔から

俺が他のコ褒めると、すぐ拗ねてたもんな。


まさか、こんな可愛い女子になってるとは

思わなくて、信じられないけど‥」



――バレちゃった‥もう終わり。嫌われる‥


「嘘ついて、ごめんなさい‥もう一度

会いたかっただけなの。女の子として‥

翔は、初恋の人だから」



「俺も、ニノが初恋だよ」
「え?」


【翔side】


11歳の頃に出会った近所の少年が
忘れられなかった。

女の子みたいに可愛くて、懐いてくれた。

別れる時、恥ずかしくて逃げちゃって
ごめん。


小雨が降ってきた。

「ニノ、相合傘しよ?」


――俺は「男の娘」という人間に

初めて恋をしました。

END

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