センチメンタルメモリー
第3章 都会の夜
お風呂から出て下着を身につけバスローブを羽織る。
バスローブもフワフワしていて肌触りが良い。
喉が乾いたのでキッチンに向かうと直哉はリビングでワインを飲んでいた。
「喉乾いた、水以外になんかある?」
冷蔵庫を開け中を探しながら直哉に聞いた。
「ワインしか無い。翼も飲めよ」
振り返ると直哉のテーブルにはワイングラスがもう一つ用意してあった。
準備がいい。
女なら誰だって惚れるだろう。
ワイングラスの横には切ってあるチーズとサラミがあった。
チーズは私の好物だ。
「チーズあんじゃん!飲む!」
駆け足で直哉の向かい側に座りワインを注いだ。
独特の匂い。
黒い赤。
それを片手で飲む直也はヴァンパイアのように見えた。
「それじゃあ、いっただきまーす」
ワイングラスに注いだワインを一気に飲み干した。