センチメンタルメモリー
第5章 わたしの仕事
「大丈夫よ翼ちゃん。
私もこう見えて若い頃はやってたの。
今は後悔してるけどね。
私はそれでもいいと思ってるの」
椿さんが私の手を握りそう言った。
「ね、直哉さん」
「あぁー、そうらしいな」
直哉は相変わらずタバコを吸っている。
椿さんは手をギュッと握りしめてくれた。
「大丈夫、私がいる。
なんかあったら直哉さんもいるから」
私はなぜか、この仕事はうまくいくと思ってしまった。
直哉と言うヤクザがいてこの店のママ、椿さんとこうやって交流ができてる時点で。
「あ、翼ちゃん。
源氏名、なににしたい?」
思いついたのように椿さんはメモ帳と筆ペンを取り出した。