センチメンタルメモリー
第6章 memory.Ⅱ
約1時間ほどして、やっと選び終えた。
ドレスが4着、靴が3足、アクセサリーが12点ほど。
椿さんはお店の人となんかの話をしていた。
「あ!椿さん!選び終えました!」
「案外、早いのね」
椿さんはそう言うと店員さんと笑った。
「あの…お会計って直哉ですか…?」
気になっていたことを聞く。
多分、直哉のはず。
「あ、これはお店から出るから大丈夫よ」
「え!?大丈夫ですか!?」
店員さんに計算してもらうと30万ぐらい。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「これくらい大した額じゃないわ」
一晩で倍以上稼げるもの。
と付け足して、また椿さんは笑った。