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腹黒ドS王子の愛する人

第22章 秘書の恋人

ハンカチを友喜くんとやらに押し当てて拭いてやると痛そうに顔を歪める。




「あ、あのっ.....」




「あ、動くなバカ。」






途中で遮られたことに若干のイラつきを感じながら他に傷がないか調べる。




学生時代、幾度となく怪我をしてきた俺には治療は得意なものだ。






「あのっ、あなた、柊聡さんですよねっ!?」



そんな質問にぶっきらぼうにそうだけど、と呟くとさっきまで痛みにゆがんでいた顔が笑顔で輝く。




「俺、大ファンでっ...!!!」


「さっき聞いてた。」





あのこっぱずかしい憧ればなしをされちゃ、聞いてない方が無理っての。






それでも気にしないかのように友喜くんは嬉々として答えた。






「俺、朝霧友喜っていいます!!俺今高1なんですけど柊さんに憧れて同じ高校入って同じ柔道部入ってるんです!!」




「へー。」





あまり興味がないというように答えるものの友喜くんの口は止まらない。




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