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aspirin snow

第1章 Prologue

温もりを感じる木目調のオルゴールの蓋を開けると、
独特の柔らかい旋律が私を包み込む。



さやさやと風が揺らす草の音と。

夜空で煌く星が瞬く音と。

キラキラ響くオルゴールの音色と。



静寂の中、
すべては綺麗に調和して。





ただ、涙だけが流れ続けた。



 「約束、覚えてる?
  もうすぐだから。
  待ってて。」



彼の最期の言葉を想い。



「待ってて」と言われた私は、
あなたを待ち続ける。



「待ってて」って言ったのに。

もう私の元へは来てくれないあなたを、待ち続ける。

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