
☆幻想窓☆
第7章 気持ち悪いお父さん②
あたしたちは
トイレから出て、席にもどった。
お母さんはもう戻っていた。
「おかえりなさい、詠美子、お父さん!
なにしていたのっ?」
「ただいまー、あっ…それは内緒」
あたしが答えた。
お父さんは何も言わなかった。
お母さんとお父さんは
冷め切っているんだ…
修復不可能ぐらいに…。
もう仕方がないくらいと言っても
おかしくないぐらいに…
*
「おまたせしました!
カルボナーラとハンバーグとステーキです」
店員さんがやってきた。
「あぁ、ありがとうございます」
お母さんは礼儀がいい。
注文の品を置く。
「ではごゆっくりどうぞ!」
店員が去っていった。
「それでは、食べましょ」
お母さんが言った。
「うん、いただきます!」
あたしはハンバーグを食べた。
お父さんも食べている。
会話無き食事。
まぁいいんじゃないかな。
食事の時くらい、静かに食べたいし。
お父さんと仲良くするのは夜だけだもの。
