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☆幻想窓☆

第7章 気持ち悪いお父さん②



あたしたちは
トイレから出て、席にもどった。

お母さんはもう戻っていた。

「おかえりなさい、詠美子、お父さん!
 なにしていたのっ?」
 
「ただいまー、あっ…それは内緒」

あたしが答えた。
お父さんは何も言わなかった。

お母さんとお父さんは
冷め切っているんだ…
修復不可能ぐらいに…。

もう仕方がないくらいと言っても
おかしくないぐらいに…


「おまたせしました!
カルボナーラとハンバーグとステーキです」

店員さんがやってきた。
「あぁ、ありがとうございます」
お母さんは礼儀がいい。

注文の品を置く。

「ではごゆっくりどうぞ!」
店員が去っていった。

「それでは、食べましょ」
お母さんが言った。

「うん、いただきます!」

あたしはハンバーグを食べた。

お父さんも食べている。

会話無き食事。
まぁいいんじゃないかな。
食事の時くらい、静かに食べたいし。 

お父さんと仲良くするのは夜だけだもの。

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