テキストサイズ

蒼い月

第5章 老獪

この部屋には窓はない


俺の前でかなりの大きさの机の後ろに鎮座する男がいた


西部方面隊 陸将 成宮その人である


両側に立つ二人は階級章から陸将補と
一等陸佐。

「よく来てくれました。お掛け下さい」

思ったよりも不通な話し方で

俺は簡易の椅子に座る事になる

「あなたは先の虎ノ門の事件の時、あの部屋にいらしたそうですね。そのわりには怪我ひとつ無いように見受けますが?」

俺の調べはついてるらしい

「まあ、少々なら荒っぽい仕事もこなしますから商売がら身は守れます。それをご存知なら俺がここに来た用件も分かってますね?」

俺にしては最高に敬意を尽くした話し方だ






ストーリーメニュー

TOPTOPへ