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蒼い月

第5章 老獪

「戦闘ヘリの出所はご存知なようですね。あれは整備に出してたもので私たちも困惑しています」


穏和な顔も物言いも変える様子はない


大したタヌキだ


おそらくは裏も完璧なのだろう


俺は少しばかり意地悪がしたくなった


「大事なヘリをあんな使われ方をされてさぞ無念でしょう。搭乗していた二名は認識票はありませでしたがDNAの型からこちらの所属だとわかりましたが?」


これは嘘である。まだDNAの型は取れていない


「困りましたね。こちらにその勝報はまだ入っておりません」


やはり大したタヌキだ


「ではあの日非番だった者の名簿を頂いてもよろしいですか?」

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