DAYS
第36章 Mine S×A
「タッキーから、全部聞いた。」
「…。」
「好きだって告白された。」
ああ。終わった。
雅紀に知られてしまった。
…わざわざ言うってことはさ、
そういう事なんじゃないの?
別れようって話?
滝沢くんのことを好きになっちゃった?
もう俺のことは必要ないって?
言葉には出せない。
だけど、涙が止まらない。
俺の心を代弁するみたいに、涙が零れて
止まらない。
「翔ちゃん。」
聞きたくない。
でも、聞かずに逃げ出す方が
ずっと格好悪い。
それなら聞いて、受け入れよう。
「…やっぱり無理。」
「え?」
「お前が滝沢くんを好きでも、
やっぱり俺、雅紀が好き…。」
「翔ちゃー…」
「でもお前は滝沢くんが好きなんだろ?」
子供みたいに聞く耳を持とうとしないで、
雅紀が言葉を紡ぐ前に、それを呑み込ませる。
「そんなの絶対に、許さない。」
自分勝手。
自己中心的。
どんな言葉で罵られたっていい。
俺は雅紀が好きで、それを終わらせることも
諦める気もない。
雅紀の体を、ラグの上へ押し倒す。
ダンっと硬い音がリビングに響く。
「…ってぇ…っ。」
右ひじを痛そうに庇ってる。
でも、それでも…。
「アイツなんて、止めとけよ。」
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