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家政婦ノオシゴト

第4章 憂鬱な日々

「泣きたい時は、我慢しないで泣いて良いんだよ?」

そう言われたとたん、ぶわっと涙が溢れた。この人の優しさが嬉しかった。

身内が近くにいない寂しさと、日常のストレスが一気に放たれて、気がついたらその人に泣きついていた。

「私は幸(サキ)。モデルやってるんだけど、帰りによくここら辺通るんだ。」

やっぱりモデルさんなんだ…

期待通りの嬉しさと、自分の身の程を思い知らされた悲しさが混ざって複雑な気持ちになった。

「花崎茉莉華といいます。何でも家政婦をやってるんです。」

"何でも家政婦"という単語は、最近のプチ流行になっているため、幸さんもそれに反応したようだ。

「何でも家政婦?!わぁ凄い!!噂には聞いてたけど、可愛い家政婦さんだね♪」

綺麗な顔を近付け、大きな目をキラキラさせて私を見る。

何だか照れる…

ちょっと自分の頬が赤くなったのが分かった。

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