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家政婦ノオシゴト

第5章 真実

「こんな所見られて大丈夫なの?」

「大丈夫、この家政婦さんは口が固いし興味が無いみたいだからさ。」

少なくともお前よりはな。

掃除中の茉莉華の肩を抱き、こちらにぐっと寄せる。
挑発してみた。

「掃除中ですので離して頂けませんか?」

俺は離すどころか、茉莉華に近づいてキスまでした。

チラッと小百合の方を見ると大きく目を見開いて、眉間にしわを寄せ、口を一文字に閉じていた。

面白過ぎる。

「離して下さい。」

茉莉華は「いきなり何をするんだこの男は」というような顔をしている。

「ねえ…その家政婦さんと…どういう関係なの?」

ほら、来た。
まんまと挑発に乗ってきた。

「別に。普通に依頼人とその依頼を頼まれる家政婦の主従関係だけど。」

主従関係とは言っちゃいけない気がするけど、あながち間違っちゃいない。

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