テキストサイズ

家政婦ノオシゴト

第6章 温もり

「…気にしてるので言わないで下さい」

ボソボソと、聞こえる程度に言った。

「ぺったんこぺったんこ♪」

ドが付く程のSなため、逆効果だったようだ。
一向に止めようとしない彼に感情を抑えながらも怒りが湧いてくる。

我慢仕切れずに怒鳴った。

「止めて下さい!!」

1、2秒の短い沈黙の後、彼はまた口を開いた。
「自分から口止め出来たらね。」

意味が分からなかった。
ガムテープでも貼れと言うのかと思っていたが、少なくとも彼はそんなMではない。

「俺の唇にキス出来たら止めてやる。」

…魔王だ。

この間は流れでされてしまったが、彼氏がいたという話をした以上はそんなに軽く出来ない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ