
友恋
第8章 高鳴り
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「で、優姫は今日行くの?」
楽しそうに今日ずっとこのフレーズを問いかけけてくる楓。
「行かないって。」
本の整理にわざわざ私が行く必要はない。
「副委員長は優姫が来るの待つと思うけどなぁ。」
「行かない。」
今日何回この言葉を言ったのだろうか。
「ほら、授業始まるから席戻りな。」
教室に先生が入ってきたので、私は楓を席に戻す。
楓は不満そうな顔で席に戻る。
全く…楓が気にすることでもないのに。
私は小さくため息をつきながら、窓の外に視線を移した。
気づけば桜はもう散って葉の色が変わってしまっている。
