テキストサイズ

友恋

第3章 友だち






「よし、帰るか。」


教室に戻り、速やかに帰り支度を終えた悠樹がカバンを背負いながら言った。




「…ごめん、悠樹先に帰っていいよ。」



私は教科書をカバンにしまいながら言葉を返す。



「え、なんで…」


「人、待たなきゃだから。」



私は教室に残されたもうひとつのカバンをチラッと横目で見ながら言った。



「あそこの席って確か…」



悠樹はそのカバンを見つめながら、何かを悟った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ