
友恋
第3章 友だち
だって、私のことなのに。
楓が半泣きでそこまで怒ってくれるのが嬉しくて、でもどこかむず痒くて、つい笑ってしまった。
「おっかしい。」
「わ、私は怒ってるんだよっ。」
楓はプクッと頬を膨らます。
「だから、なんで楓が…「友達だから!」
その言葉に反応したかのように、そよ風が私達2人を優しく包み込んだ。
「友達だから、優姫が悲しい顔したら私だって悲しくなる。でも、優姫が笑ったら私も嬉しくなる。」
そう言うと、楓が私に近寄り、フワッと抱きしめてきた。
「友達って、そういうものだと私は信じてるし、優姫にとって私はそうでありたい。」
私より背が高い楓に抱きしめられると、私はちょうど楓の胸元に顔が当たる。
や、柔らかい。
でもそれと同時に…温かい。
