
友恋
第3章 友だち
「ね、ねえ、どうしたの。」
ズンズン進む楓の背中に問いかける。
すると楓がクルッと勢い良く振り返った。
「ムカつくっ!!」
「えっ…」
振り向いた楓は涙目だった。
「な、どうし…「あの男子、優姫のこと何も分かってないくせに!」
楓は顔を赤く染めながら私に訴え始めた。
「私も、確かにまだ全然優姫のこと知れてないかもしれないけどっ、優姫が優しい子だってことは分かってるもん!なのに、勝手なこと言いやがってっ…」
私は楓の言葉にただただポカーンとするしかなかった。
でもなんでだろう…
「…アハハッ。」
「えっ?」
「なんで楓がそんなに怒ってるの?」
私はなぜだか吹き出してしまった。
