テキストサイズ

Another World Warning

第1章 始まり

ランキング表を眺めてみると、上位20人ほどがラウンド9で、その中で世界2位のみがラウンド10であった。

さらに調べてみると、ラウンドには明確な基準があるということがわかった。

ラウンド9には、月間で開催される「チーム大会」というものでMVPに輝くと昇格できるようだ。

ラウンド10には、年に1回開催されるAWWの世界大会で優勝すると昇格できる。

AWWは、配信が開始されてから1年ほどなので、世界大会は1度しか開かれていない計算になる。 つまり、ラウンド10は、現世界2位ただ1人ということになる。

なぜ2位が世界大会で優勝したのか。 1位とあんなにレートが離れているのに勝てたのはきっと何かあるのだろう。

早くプレイしたい。

今の僕はそのことしか頭になかった。

お小遣いを稼ぎたいという気持ちもあるが、それとは違う、なんていうのか、遠足の前日のあの高ぶっている感じに似ている気がする。


もう外が明るくなってきている。

7月9日。 あまり意識していなかったが、夏の朝というのはとても涼しいものだ。

今日から僕の人生は変わる。 朝焼けに照らされる住宅街を見ながら心の中で言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ